明けない夜はありません、ね。

2018年初日の出写真

志布志湾の朝陽

 SACLAの源泉がある垂水市でも陽性者が出ました。一年ほど前は、この地とは縁のないこと、遠く離れた大都市の、どこか他人事のニュースの感がありました。飛び火した鹿児島市内の繁華街は早い時期から外出自粛がいわれ、賑やかなときと比べるとまるでゴーストタウンのごとく閑散とみえましたが、錦江湾をはさんでフェリーで40分のこの町にはそれも対岸の火事でした。

 ふだんのこの町のニュースと言えば、桜島の爆発、噴火、火山灰による被害くらい。それからするとコロナ陽性発生のニュースは、この町の地域的な孤立感を埋めるような感じさえして不思議な感じもします。世界中の人々が日々、この災禍が収束することを祈っていることと思いますが、その思いをこの町も共有することになったわけですから。

 明けない夜はない。言い古された言い回しですが、人の世の来し方は、いろんな災禍とともにあったにもかかわらず、一夜明け、二夜明けと、災禍からときを経ることで心の平安をとりもどしては、命をながらえて来た歴史なんだろうなあとあらためて思います。

 過去のどの時代をきりとっても、また洋の東西、南北を問わず、地球上のいたるところで、ひとはその一生の中でなんらの災禍にあわず平穏無事というのはまれなこと。いつでも、どこでも、だれでもひとしなみに行き当たった災禍を受け止めるしかありません。

 被災者やそのご家族には時間を要することでしょうが、でもときがたてばいつか必ず、この世界に明けない夜はない、そんな景色が見えてくるはずと祈るばかりです。